ただただ無駄にお金を費やした過去

　慢性的な頭痛に悩んでいた私は、毎週、整体やもみほぐしに通っていました。1週間の凝りやストレスをなんとかやり過ごし、少しでも頭痛をラクにしたいとの一心で、当時の私は安いお給料の中からなんとかその費用を捻出していました。しかし、ある日、私はふと気づきました。いや、最初から気づいていたのかもしれません。「あんまり効果がないんだけど…」。

　有名サロン、チェーン店、個人サロン。リラクゼーションにおけるサロンはいくつかのパターンに分けられると思いますが、そのサービスのクオリティを分けると大きく二つになると、私は過去の体験から学びました。それは、施術者任せのサロンとマニュアルに則った手順で施術を進めるサロンです。前者は言うまでもなく施術者によって当たりはずれが大きく、しかも当たりの場合でも自分の悩みを解決してくれるほどの大きな効果は得られませんでした。後者は、施術者による当たりはずれこそ大きくはないのですが、これもまた日々の悩みを解決してくれるほどの効果は期待できませんでした。

　さまざまなサロンに通いましたが、結局、ここぞと思えるサロンには出会えず、当時の私はただただ無駄にお金を消費していたように思います。通い続けて一年半くらいたったころでしょうか。「結局、私の悩みにちゃんと向き合ってくれるところなんかないんだ…」。私はそう結論づけました。

スタート地点は「お客様と向き合う」

　株式会社ECLADIAをその数年後に立ち上げ、起業した私は、自社のサービスすべてのスタート地点を「お客様に向き合う」こととしました。今思えば、過去の私がサロンに使った多くのお金は、私に最も大切なことに気づかせてくれる投資となったわけです。

　ECLADIAは、個人のお客様のお悩みを解決するためのサロン事業と、法人のお客様を対象としたソリューション事業の二つを大きな柱としています。個人、法人とお客様が抱える悩みや課題はさまざまですが、私はそれぞれのお客様に接する際のスタートのあり方をとても貴重で大切なものと考えています。

　お客様の問題意識の原因・根本を突き詰めることは、一見すると遠回りに見えるかもしれません。事実、お客様のお悩みに耳を傾け続け、その原因を探ることには多くの時間と大きな手間がかかります。しかし、その“時間と手間”を大切だと思うことこそ、一番の近道であると私は思っています。私はあの時の気づき、「私の悩みにちゃんと向き合ってくれるところなんかないんだ…」という言葉を、常にお客様と向き合う時の反面教師にしています。

ECLADIAの強みはお客様と向き合うノウハウ

　社長業をしていると、起業家の集まりや業界のセミナーなどで多くの経営者の方々とお話をさせていただく機会があります。そこでお互いの自己紹介をするのですが、私は自身の会社の名前、自分の名前の後に必ず「お客様と向き合うお仕事をさせていただいています」と一言添えさせていただきます。その言葉の後には、大体の方が「？」と明らかに怪訝な表情をされることが多いのですが（笑）。

　「お客様と向き合う」ことなんて当然だし簡単だと思われる方も世の中には多いようで、実際にそれを口に出して指摘されたこともあります。しかし、例えば、健康状態がそうであるように、人や企業には必ず変化があります。常にその変化に耳を傾け、そこをスタート地点とし続けることは簡単なようで簡単ではありませんし、それ相応のノウハウが必要となります。ECLADIAはそのノウハウと、そしてなによりそのマインドを最大の強みとして今後も歩き続けます。

　お客様一人ひとりとの一度目の出会いを大切にして、今後もお客様と向き合ってまいります。ご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社ECLADIA 代表取締役榎田 あい

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